清寒沥

彼はわたしの神様だから。/
改行搞翻译,青桃中心
有看到很奇怪的句子不要在意,一定是我脑细胞又死掉了_(:з)∠)/
翻译大业持续进行中
暂时专注润色,番外及新坑待定

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「搬运」青桃 わたしの神様(5)

青峰做饭比桃井好吃这点真的很萌啊_(:з」∠)


进度(56/118)

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    担任に呼ばれていた用事を済ませ、いつもより遅い時間に桃井は部室に向かっていた。部活開始まではまだ僅かに時間があるが、この時間、部室に男子バスケ部のメンバーたちに占拠される。

 (桜井くん、捕まえたかったんだけどなぁ)

 桃井は桜井に改まってのお願いがあったのだ。

 明後日から一週間、研修と仕入れで青峰の母親が家を不在にする。その間の青峰の弁当を桜井に頼めないかと思っていたのだ。

 過去のさぼっていた頃と違って、今は筋トレも行っている青峰だ。栄養面でのサポートも、体つくりでは重要な要素だ。

 (私が作ってもいいんだけとなぁ)

 毎回そればかりは、青峰に頑なに拒否をされる。部室の前にたどり着くと、中は静かな気配がした。部員が集まってしまうと、さすがに桃井も入りにくい。そのためいつもはかなり早い時間にロッカーを使っていたのだが、今日ばかりはしょうがないと思っていた。

 (もう皆向かった後なのかな)

 一応念のため、と桃井は扉に耳を当てる。すると中からは数名の話声が聞こえた。

 (…、開けないでよかった)

 当然ノックはする予定だったがほっと息を吐く。

 「はいはい、これだから堀北馬鹿は」

 「この童貞め」

 それ自分にも返ってくるだろ、と部室には馬鹿笑いが響く。

 さすがにこの手の話題の時に、女性が入る程白けることはない。もっと露骨な話をされている時もあるが、上級生は唯一の女性マネージャーにかなり気を使ってくれるのため正直助かっていた。

 「は?誰が童貞だ。つーか、お前らこのおっぱいの素晴らしさがわかんねーのかよ」

 響いた声の一つは、桃井のよく知る人物のものだ。そもそも『堀北』という言葉が出てきた時点で、誰が話題の中心にいるのか察することは難しくない。

 男子ばかりのバスケ部の会話など、所詮こんなものだと桃井は分かって居る。だが、桃井がたまに申し訳なく思うのは、自分の胸が比較的大きい方だ、そして彼の幼馴染であり、そしてバスケ部のマネージャーであることだ。

 「で、桃井ちゃんとはまじどうなのよ」

 桃井さつきと青峰大輝の関係は、幼馴染でありそれ以上でもそれ以下でもない。

 その関係性を問う質問は、中学生になった頃から止まることを知らず、桃井はたまにいっそ姉弟であったり、親戚であればよかったとすら思うことがある。

 (どうなのって聞かれても、どーもこーもないのだよ)

 桃井は瞬きをして意識を切り替える。

 部室のそんな何でもない会話を聞いてからもう二日経ち、予定通り青峰の昼食については、桜井に依頼することに成功をした。元からよく青峰に早弁当の弁当を依頼されていた桜井だ。

 『ぼ、僕でいいんですか、すみません』

 よくわからない謝罪と共に取り敢えず二つ返事で受けて貰えたことに桃井は非常にホッとしている。

 『一日くらい私が作ってもいいんだけど』

 『僕!精一杯頑張りますから!』

 『負担じゃない?』

 『大丈夫ですっすみません!』

 桜井はいつにないやる気を見せていて、桃井はやはり誰も青峰のバスケに対する変化が嬉しいのだと思う。

 そんな風に、青峰の弁当は最善の調整を付け、弁当問題は全て解決したーーはずだった。

 「なんでこうなるの!」

 桃井は泣きたい気持ちで、現在台所に立ち尽くしいる。

 目の前にあるのは弁当箱。

 桃井は、何故が現在弁当作りと向き合っていた。

 桃井は自分では、料理は嫌いではないとはおもっているが、それでも弁当を作ったことはない。何品も同時に作る程朝に余裕はないうえ、一度も作ったことがない品を試すべきだと頭では理解している。

 取り敢えず、もっとも作っている卵焼きは綺麗に焼けた。あとサラダは良い。ミニトマトとキュウリとレタスをセットするだけだ。ドレッシングは当然既製品。一品くらいはと選択した冷凍食品は、明日の朝レンジに入れるだけ。ご飯は朝炊き上がる。

 問題は初めて挑戦している、タコさんウィンナーと鳥そぼろ、アスパラ炒めにある。

 (お、おかしい…)

 形が一向に整わない。タコは無残にも切断され、鳥そぼろは見るからに色が整わない。

 「や、でもちょっと焦げているくらいでも美味しいよね。もともと茶色いし!」

 レモンのはちみつ漬けは、食べる直前に切るものかと思っていたが、そうではないことはつい最近ようやく誤解が解けた。

 やはり人は普段食べないものを作るべきではないと、桃井は自分が食べたことがあるものを選んだつもりだったがーーどうしてこうなった現在頭を抱えている。

 「おい、ひでぇ匂いしてんぞ」

 「ひ、ひどくないもん!」

 突然聞こえた声は反論するが、ここは桃井家の台所である。お互いの家に向いている勝手口は昔から鍵が開いている。

 そのためこうして青峰が入って来ても、桃井としては驚かいないが、むしろ今は言われた言葉に怒りを覚える。

 「美味しいよ!大丈夫!」

 「…、お前その自信どっからくるんだ?」

 「なんとなく?」

 「ほー」

 呆れた物言いに、今はぐっと言葉が詰まる。本通りに作ったのだ。美味しいくないはずはないと言いたいが、もはや味見のしすぎでよくわからない。

 (ああ、もうあんな場所で話をしなければよかった)

 桃井は、今や後悔で一杯だ。

 桃井が桜井に、弁当の相談をしたのは部活の終わった直後で、当然そこにはまだ数名の部員が残っていた。その時後輩に言われたのだ。

 『桃井先輩は作らないんですか?』

 『え、わ、私?』

 『青峰さんの分は!今、僕が頼まれたのですみません!』

 『じゃあ、あの』

 ごくりと音がしそうな程決意を見せて、その後輩は口にしたのだ。

 『僕に、一度いいので弁当を作ってくれませんか!?』

 告白であれば断れた。だが、これは弁当の依頼だ。スタメンでもある後輩からの、弁当の依頼。

 一瞬、その場に妙な静けさが訪れる。

 (しまった)

 静かになってしまったことに、妙な焦りを桃井は覚えた。大事にするような話でも、複雑にするような話ではない。

 桜井が二つ返事でエースの弁当作成を引き受けたというのに、自分が今この状況で断れるはずはなくーー。

 『ま、まかせて』

 『本当ですか!?』

 『本当ですか!?』

 前半は気色、後半は悲鳴のような桜井の声。

 だが今は、本当に桜井に負けず劣らずの声を出せる自信がある。せめておばさんがいる時に引き受けるべきだったのだ。

 「お前、まさかこれ俺の分じゃ…」

 「なわけ、ありません!馬鹿!大ちゃんのだめにこんな苦労しないもんっ」

 「じゃあお前の分かよ」

 「…深い事情があるの…」

 はぁと息をつく。ふーん、と台所の椅子に座った青峰は、目の前にあった卵焼きを手に取り口に放り入れた。

 「お前、卵焼きだけはましになったよな」

 「ましって何それ。美味しいでしょ」

 「百歩譲って言った俺の言葉を否定すんな」

 「うう、大ちゃんなんて…焦げちゃえ…」

 桃井は小さく息を吐く。時間は八時を過ぎた所だ。

 「つーかお前晩飯食ったのかよ」

 「ううん」

 「洗濯物出てただろ」

 「あ!」

 桃井はあわててエプロンを置いて二階に向かう。

 母親は今日も遅い。否、平日はほぼ夜中の帰宅で、場合によっては会社の傍に泊まることもあるし、父親は出張で全国を駆け回っている。

 広い家は、ほとんどいつだって桃井一人だ。掃除だけはハウスキーパーさんが週に2回やってくる。

 (そういえば)

 洗濯物を取り込みつつ、不思議だが昔から桃井は一人が怖いと思ったことだけはなかった。

 今も暗い部屋にいてもなんとも思わないし、青峰がたまたま来たが、それについて安心したと思うこともない。

 手早く取り込んだものを疊み、自室に必要なものをしまいタオルだけ手に取り下に降りる。階段を降り切るとどこからは香ばしい匂いがする。

 (あれ)

 台所に戻ると、立っていたのは青峰である。

 ただ立っていたのではなく、台所の前ーーコンロの前である。

 「…え、えええええええええつ」

 「えええ、じゃねぇだろ。お前もくっただろ、前。炒飯」

 「お、う、うん。夢かと思ってた」

 「おい」

 青峰の母親も仕事を抱えている身だ。空腹の我慢が出来ない時、青峰は自分で小腹を満たす。大抵は白ごはんに何かを乗っけている程度だが、简单な炒飯位は以外なことに作れるらし。

 ご相伴にあずかるのは二度目だ。

 どんと置かれるが、取り敢えず中身は肉と卵だけである。包丁が使えるとは思わないので当然の結果かもしれないが、取り敢えず自分の分は少しだけ取り分ける。

 冷蔵庫から麦茶を取り出し、熱いうちに頂きますと口にする。

 「大ちゃん、明日は野菜食べてね」

 「へーへー」

 カチカチとスプーンが更に当たる音がする。

 「美味しい」

 胡椒のきいた炒飯は、青峰家の味がちゃんとした。おばさんが作る場合は、ここに刻んだネギが大量に入る。

 「だろ」

 「お世辞ですー」

 「は、素直になれっての」

 太い腕に軽くど突かれる。

 青峰の腕回りも、体躯も一時期よりさらに引き締まってきている。筋トレも最近はなんだかんださぼらずに行っている成果だと分かる。

 (また、今年の文化祭あたりは大変だろうな)

 近づいてきているイベントに、桃井は思いを馳せる。

 「で、お前明日まじで弁当持ってくわけ」

 「約束たんだもん」

 「阿呆か」

 「…、阿呆じゃないよ」

 「馬鹿だろ。馬鹿」

 「馬鹿じゃないもん!」

 青峰はあっという間に食べ終わり、皿を台所に置く。そのまままた勝手口に向かいながら一度振り向く。

 「俺の分も作っとけよ。味見してやる」

 「やだ」

 「あ?」

 「絶対、大ちゃんには作らないもん」

 青峰の手元には、明日から桜井の弁当があるのだ。さすがにそれと比べられるは肩身が狭い。昔程、桃井も自分の料理に自信を持っているわけではないのだ。取り敢えず桜井が非常に料理上手だということだけは学んでいる。

 それに桃井が青峰に弁当を作ることは出来ない

 (…万が一、誰かにばれたら大変だもの)

 その気遣いは、腹立たしいことに当の青峰だけが気付いていない。

 「は?お前ふざけんなよ」

 「ふざけんているのは大ちゃんです」

 「つーか、誰なんだよ。それ」

 「か、関係ないし!ほらもう早くロードワーク行くんでしょ」

 「おいーー!」

 「大ちゃんは、大丈夫だからっ。明日お弁当準備されているからっ」

 ガンと脛を蹴るように追い出せば、扉を閉めた瞬間耳が痛い程の苦情が聞こえる。

 それで敢えて知らない振りをして、桃井はとにかく青峰に明日の昼間は会わないように気を付けようと思うのだった。