清寒沥

彼はわたしの神様だから。/
改行搞翻译,青桃中心
有看到很奇怪的句子不要在意,一定是我脑细胞又死掉了_(:з)∠)/
翻译大业持续进行中
暂时专注润色,番外及新坑待定

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「搬运」青桃 わたしの神様(2)

「搬运」青桃 わたしの神様

著 イカ ニコミ


侵删

未完,后续及翻译后补


迟到生贺第二部分


接上(上一章更新了新内容)

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    幼少の頃、青峰につられるように手に取ったバスケットボールはとても大きった。

 ドリブルをするもやっとで、何度もよくわからない方向に転がして青峰に笑われた気もする。意外に思われるが、桃井はバスケット自体をプレイをしたことがない。ドリブルだけが、桃井が直接体感したバスケットだ。

 ただ、唯一のそれですら、桃井は満足に行えた記憶がない。それでもなんだかんだ、根気強く付き合ってくれたのは結局青峰だった。

 『あー、ほら。ちゃんとボールに手を当ててないからだって』

 どこかに遊びに混ざっては戻ってくる青峰のアドバイス。

 それに気づいた時に、一部の女子が自分達と遊ぼうと青峰を誘っていたことは知っている。思い返してみれば、太っているということはコミュニティの中では本当にに良いことがない。

 だからか、この時期桃井には友人らし友人がいた覚えがない。このころ始めた運動の効果で、痩せて、学年も変わる頃には桃井も友人に囲まれ、そして別の意味で男子との関係に悩むようになるが、それはまだ未来の話だ。

 (女友達ゼロ…)

 高校入学直後は、とにかく青峰を部活に入らせ、来させること。先輩たちとの亀裂など、気にすることが山盛りで気付けなかった。

 そして先日の呼び出しによる言葉が桃井の中に未だに突き刺さる。よく考えれば、バスケを始めた頃ーー否その前から、桃井は友人を作ることが苦手ではあったのだ。

 幼い頃、最初に興味を持ったものは新聞や本であり、インドアな人間としてスタートを切ってしまったのがまずかったのか。言葉を覚えるのは早くとも、会話のテンポはしょっちゅう他人とずれていた。

 『青峰くんにどんだけ面倒みさせているの?友達いないからって』

 (私だって!好きで友達がいないわけじゃないんだから!)

 力説したところで、完全に何かが負けている。まさしく自分へのダメージがでかい、涙が出そうな言い訳だ。

 桃井はさてどうやって友達を作るべきかとため息をついた。

 (ううん、私だって本気でやれば…!)

 教室に話をする女性生徒は当然居る。日中は桃井もこのクラスで過ごしているのだ。

 時にマネージャー業務で外れていることもあるが、女子のコミュニティは重要だ。孤立し過ぎてしまえば、体育の時間など悲惨なことになる。

 桐皇は元男子校の名残か、女子生徒数が少ない。そのためその付き合いは濃密なものが多く、部活に時間を取られる桃井は正直どうしても同じレベルで付き合うことは難し。優し人物らも多いため、何か班で活動するときに桃井困るようなことはないが、それでも改めて連絡先を交換して仲良くするーーとなると、桃井は正直二の足を踏んでいた。

 普段幾らデータを駆使していようとも、女子が盛り上がるような話題が桃井にはさっぱり分からなかった。

 ぽろぽろ人気づかされる事実に、この数日桃井の顔色は青くなりっぱなしである。

 (何を、一体、普段そんなに話してるの!?)

 中学時代の女子マネ仲間とは未だに繋がりがある。その当時の部員だった男バスメンバーもそうだ。

 取り敢えず昨晩メールで相談したところ、返信は非常にあっさりしたものだった。

 『恋愛、彼氏、ファッション』

 明らかに前二つは被っているのではないかと思いつつも、今更その話題にどう溶け込んで良いのかさっぱり分からない。

 『さつきはねー、バスケ馬鹿だもん』

 けらけらと笑われながら贈られた言葉に反論するものの、説明された一般的女子高生の生活は確かに自分には遠過ぎた。

 桃井は女子高生としてファッションには人並みに興味があるか、それで一体どう盛り上がるのかさっぱり分からないのだ。

 取り敢えず桃井にとってファッションは買い物と同義である。

 『可愛い!えーどっちにしよう。どっちのが可愛いかな』

 『はぁ?どっちでも同じだろ』

 『全然違うよ!』

 『あーじゃあの白い方で良いんじゃね』

 『うん、じゃあピンクにする』

 『おい!』

 嘘だよ、と笑いながら結局白を手にしてレジに向かう。

 自分の買い物なんで所詮そんなものだ。学校で雑誌を見つつ、その話題でどうしたら盛り上がるのか、桃井にとっては未知の世界である。

 カラオケに行く時間もろくにないため、歌を聞くことは好きだが流行を追っかけているわけでもない。本に好きだがベストセラーというよりは好きな作家を中心に、スポーツに関わる本の方が圧倒的に本棚にも多い。実家や隣の仕事を手伝うこともあるため、経理の基礎やスポーツ用品の素材、そして着物の種類などにも詳しく僅かながらの知識はある。

 (こ、これは…)

 桃井は、見ないでいた事実をとうとう認めた。

 (女子高生じゃ、ない)

 もしかしたら誠凛の監督とも呼ばれている、胸の小さい人物であれば気が合うかもしれないが、相手はライバル校だ。今から友達として付き合うには無理も限界もある。

 朝練を珍しくもこの数日は男マネにまかし、教室でクラスメイト達と交流してみたが、息が続かないとはまさしくこのことだ。情報を多く持ち、引き出すことも得意な桃井が浮くことは無いが、楽しむ所ではない。

 放課後も女子バレー部の子たちと一緒に帰宅してみたりもしたが、やはりどうにも桃井は呼吸困難に陥っている。

 「…、どうしよう」

 予想以上に、友人を作るというものは難関だった。冷や汗しか出てこないが、これはもしかしなくとも、自分には友達が居ない、出来ないという事実発覚でしかないのだろうか。

 いつだってこの世界は、桃井にとって静かな、まるで借り物のような場所だった。その世界で当然とされていることをすることは、いつだって困難だ。

 (けど、これくらいのこと)

 上手く出来なくてどうするのだと、頭では分かって居る。

 桃井ももう大人になった。好き勝手歩き回れないことも、どうあるべきなのかということも、色々と理解をしている。

 『桃井は、真面目だね』

 そんな風に笑って仕事を任せてくれたのは、赤司だったか。ただ少しだけ困ったように笑っていたのは何故なのか、未だによく分からない。

 『肩の力を抜くと良い』

 そんな風に言いながらも、何故か真逆の行動の応えたいと本能的な想いもあり、夢中で何度も作業を繰り返した。

 『お前、まだやってんのかよ』

 それをいつも中断したのも青峰だった。現実世界に戻った思考で、桃井は青峰と共に帰路に着く。バスケ部の活動は遅くまであり、一人で帰ることはさすがに親からも注意を受けていた。

 それは高校生となった今でも同じだ。さすがに今は適当に聞き流しもするし、昔よりも注意される時間は遅くなったが、青峰家の放任っぷりを見ていると羨ましくもなる。

 (不便)

 桃井は教師の声を聞きながら思わずにはいられない。

 (もし、私が男の子だったら)

 帰りの時間も問題ない。そして青峰がいるのだから友人問題も、その関係も、何の問題もなかった。

 (お父さんは泣いちゃうかも知れないけど)

 ずっと女の子が欲しかったと言っていた父親は悲しむだろうが、自分が男に産まれていれば全ての問題は解決していた気すらする。

 「さつき」

 休み時間、隣のクラスの青峰が教室に顔を出した。女子数名と雑誌を囲んでいた桃井はその声に、周囲の女子に断ってから席を外す。

 用件は教科書だったようで科学の教科書と、結局ノートも合わせて貸し出して席に戻れば、一気に話題は青峰に代わってしまった。

 「桃井さんって、青峰くんと仲が良いよね」

 「名前呼びだもんね!」

 きゃぁと盛り上がるテンションが、桃井にはさっぱり分からないが取り敢えず否定を挟む重要性は学んでいる。

 「まさか。幼馴染なだけだし、同じバスケ部だから」

 「えーそうなの。でも青峰くん恰好いいし、いいよね」

 「結構本気で狙っている子多いっていうし。桃井さん美人だし、絶対羨ましがられるよ」

 (う)

 桃井の笑顔はひきつることしか出来ない。

 既にクラスのとあるグループから今突き刺さるような視線を感じている。先日桃井が呼び出された女子と仲が良いグループだ。友達は少なくとも、データとして桃井は交友関係は把握している。

 何故だかわからないが、世の中の女子は「幼馴染」という響きに特別な思いを持っている。桃井は事実の説明に使っているだけだが、過去は自慢のように取られたことも少なくはない。

 「っていうか、桃井さんもてるもんねぇ。いいなぁ。こないだサッカー部のキャプテンに呼び出されていたよね?」

 そして本当に侮れないのは女子同士のネットワークでもある。

 「え、いやあの」

 「やっぱもう彼氏いるから断ってるの?」

 「部活、忙しから」

 「マネージャーなのに?」

 不思議そうな顔をされるが、このての反応はよくあることだった。実際の強豪校の部活動実態を知らない限りは、むしろレギュラーメンバーにも「付き合う時間もないって何?」と逆ギレする女子も居ると言う。

 強豪校のメンバーが、どれほど今の座を守ることに力を注いでいるか、その生活を費やしているかなど、恐らく彼女らは分からない。同時に、彼女達の感覚で言えば、マネージャーである桃井の生活は、尚更自分達と変わりないものだと思っている。それは責めるべきことではないが、埋めるには非常に難しい溝だった。

 (それよりも)

 桃井は僅かに引きつった笑みを浮かべつつも、意識を背後に向ける。

 背後から突き刺さる強烈な視線。

 殺さそうな程きつい視線はいっそ気のせいであって欲しいほどだ。

 (はい知っています)

 そちらのグループの一人が、先日サッカー部キャプテンに振られたことは当然把握済みです。と桃井は泣きたい気持ちで悲鳴を上げる。

 空気を読まず、そこそこ強い部活動の主将が何故自分などに告白をしてきたのか。と八つ当たりのように思う。

 そして同時に、こんな話題のきっかけをよこすことになった人物にもとにかく八つ当たりしかない。

 (…もうとにかく、静かにしていて)

 桃井のその切実な願いは、完全に裏切られることになる。普段、異なるクラスである桃井のもとに訪れることも少ない青峰が何故か妙にやってくるのだ。

 「さつき、ノート」

 「そういやこないだのNBAの試合、録画あんだろ」

 言葉少なにかわしてはいたが、それでも昼休みにまで現れた瞬間、桃井はこのままではこれが永遠に続くことを理解した。

 青峰の本能が恐らく何かを察知している。

 (昔からそうだ)

 普段は桃井が青峰のフォローをすることが圧倒的に多いが、桃井が何かに困っている時や、イレギュラーな行動をとると青峰はいつもそれを察知する。

 中学時代、珍しく少ししつこい先輩に付きまとわれていた時も、最終的においはらってくれたのは青峰だった。

 ただし、青峰にその手段を選ぶような知恵はない。

 先輩に校舎壁に押し付けられ、体格差から思わず息を飲んだ時、人気のないその場所に、ひょいと現れたのは青峰だった。

 『で、あんた何してんだ』

 いつもながら、ポケットに手を入れ面倒そうな顔で、だが最近目つきが悪いと評判の視線で相手を睨む。

 『…青峰には、関係ない』

 『あ?』

 唐突に響いた低音。その声に先輩は僅かに後ろへと距離を取り、桃井はその瞬間青峰の方へと本能的に移動をする。だが移動をした瞬間、わしっと青峰に掴まれた。

 『ずいぶん触りたそうな目で見たけどな』

 青峰の大きな手で掴まれた瞬間桃井は声を失い、相手は顔色を失い、そして立ち去った。

 『おー行ったか』

 頭の上に顎を乗せられるが、桃井は正直それどころではない。確かに彼は恐らく、その性格上もう付きまとわない。

 だが彼は絶対言うだろう。己のプライドを守り、かつ腹いせのためにも青峰と桃井は付き合っているだの、桃井が彼氏がいるにも関わらず自分に色目を使っただのとあることないこと。

 そしてそれは間違いなくマネージャー陣の耳にも入るはずだ。

 助かった言うのに死にたい気持ちになるのは何故なのか。

 『大ちゃんの、馬鹿!』

 『はぁ?』

 『馬鹿ったら馬鹿ぁ』

 『減るもんじゃねーだろ』

 もう一度背後から胸を持たれるが、今の問題はそれではない。

 『そうじゃなくてっ』

 『つーか明らかにあっちのがやべぇだろ』

 『う、そ、そうだけとそうじゃなくて!』

 (あの後…、本当に大変だったんだから)

 情報をどう操作するか、かなり頭を悩まされた。そして今同じようなことが起これば、キセキーー特に赤司のいないなかで、桃井単独の状況回復はほぼ不可能だ。

 「おい、今週末の対戦相手ってさ」

 「正邦。最初からスタメンだからね」

 「あーそうだっけ」

 「何度説明すればーーっていうか大ちゃん!」

 叫んでからさつきははっとして慌てて青峰を引っ張って外に出る。体格の良い青峰を引っ張る姿は嫌で廊下で人目を引く。比較的人どおりの少ない渡り廊下の隅で桃井は青峰と向き合った。

 じっと青峰を睨むように見る。青峰は、バスケにやる気が戻ろうが、日常に置いては変わらず面倒そうなやる気のない顔をしている。

 「大ちゃん」

 「なんだよ」

 さつきは素直に頭を下げた。

 「お願いなので!暫く私のことを放っておいてください」

 隠しても無駄。それであれば今回は正攻法だと桃井は懇願する。

 「お前、暇だな」

 「暇じゃないから!色々忙しいの。手一杯なの」

 ぐっと頭を引っ張られて顔をあげると、そのまま額に軽くデコピンされる。

 「馬鹿じゃねーの」

 「…馬鹿じゃない」

 「俺に指図すんな」

 「だからお願いしてーー」

 「あ?」

 半眼になった青峰に、桃井は本能的に青峰がからに機嫌をそこねていることを察知する。びくっと一瞬体が震えるが、青峰は一瞥しただけ面倒そうに去っていく。桃井はそれ以上かける言葉を見つけられなかった。

 インターハイの時に、青峰の意志を完全に無視しスタメンを外した時、過去にない程青峰を怒らせた。涙は出たし落ち込みもしたが、その時と今はは訳が違う。

 今はバスケットも絡まず、青峰の体調に関わっている話でもない。完全にただの、自分の我儘だ。

 桃井は小さく息を吐く。

 慣れないことばかりして疲れていたのかもしれないが、完全に自分の判断ミスだ。青峰の性格を分かって居たつもりで、大きな間違いをしてしまった。

 (しまった…)

 桃井はその場所にしゃがみ込む。

 少し離れた場所では、昼休みの時間を騒がしく過ごす声が聞こえてくる。

 「なにしてんだろ、私」

 あの時程じゃないにしろ、無駄に青峰を苛立たせている。

 その声に当然返ってくるものはない。桃井はただ暫くの間、その場所でじっと何かに耐えるように小さく座っていた。